腱板炎・腱板断裂とは?
腱板炎は、筋疲労による腱膜炎や筋付着部炎などが腱板を構成している筋に生じ、痛みと運動制限が生じた状態をいう。特に棘上筋腱が烏口肩峰アーチを通過する際に、機械的なストレスが繰り返し加わることで炎症が出現したり、腱板の変性を助長させたりすることが多い。
腱板断裂は、転倒や衝突などの外傷やオーバーユースによる非外症などで腱板を損傷した状態をいう。多くは外傷性でみられるが、中にはバレーボールのアタック動作などの急激な力が加わるために断裂が生じたり、繰り返し使用することで腱板付着部の関節面に張力がかかり断裂したりすることもある。
症状
腱板炎の急性期は痛みのために可動域制限を伴い、「肩全体が痛くてどこが痛いのかわからない」と訴えることが多い。慢性期になると「肩の奥のほうが痛む」というような訴え方をする。棘下筋の筋腹や大結節後方の付着部、肩峰直下、腱板疎部などに圧痛を認める。
青森市さいとう整骨院の治療法
■整形外科の受診が必要となる場合
①エコー(画像診断装置)で骨折、脱臼、断裂の疑いがある場合。
②ドロップアームテスト陽性の場合。
■治療法
X線で骨折等の所見、MRIで腱板断裂の所見を除外した上で、筋緊張緩和や鎮痛を目的としておこなう。
①まずエコー(画像診断装置)で患部の状態を確認後、ペインフルアークサインやインピンジメントテストを行う。自動運動が困難な急性期はアイシングとテーピング固定、微弱電流と酸素カプセルで治療する。②急性期を過ぎ、肩峰下や大結節あたりに痛みがある場合は、腱板を構成する筋に干渉波やハイボルテージをおこなう。約3週間ほど疼痛部に超音波治療と干渉波治療、筋緊張緩和のためにマッサージを施します。治療後にペインフルアークサインやインピンジメントテスト、自動運動で疼痛が緩和されていれば終了です。
■症例
一般 女性
職種:無職
発生機序:雪道で転倒
主訴:右肩が上がらない
現病歴:1月頃、雪道を歩行中に転倒した。本人はどの様に転倒したのか記憶がない。右肩に安静時痛と可動域制限、左の手で右肘を支えながらさいとう整骨院へ来院した。
初診時の陽性所見:右上腕骨骨頭が前方に突出、右肩に安静時痛と可動域制限、熱感を認めた。エコー検査で右肩関節前方脱臼を認めたため整形外科へ転院させた。後日整形外科で右肩関節前方脱臼と棘上筋腱完全断裂の診断がくだり、再建術とギプス固定の予定が組まれた。
高校3年 男性
部活:ハンドボール
発生機序:オーバーユース
主訴:左肩の運動時痛
現病歴:大会が近づき練習量が多くなってきた。2週間前から肩関節回旋すると疼痛があった。日を増すごとに疼痛と可動域が低下したため整形外科を受診。レントゲンの結果、腱板炎とのことだった。とりあえず練習を休むように言われたが大会が近いため休めず、痛みを緩和させて欲しいとのことでさいとう整骨院を受診された。
初診時の陽性所見:自動運動が困難で熱感、腫脹があったためアイシングと固定をした。頸部、肩上部、肩甲間部、上肢の筋に過剰な筋緊張が認められたため干渉波で筋緊張を緩和した。圧痛点にはハイボルテージを通電した。急性期を過ぎ圧痛や運動痛が緩和されたためペインフルアークサインやインピンジメントテストで疼痛誘発肢位を確認して回復状態の指標にした。3週間ほど治療をおこない疼痛、圧痛、自動運動、ペインフルアークサインやインピンジメントテスト陰性のため治療終了とした。
腱板炎・腱板断裂でお困りの方は「青森市さいとう整骨院へご相談下さい」