スポーツ選手に多い膝の障害

本内容は、「外傷」「使いすぎ(オーバーユース)」「成長期に多い障害」「動きや姿勢のクセによる問題」まで、膝に起こるさまざまなトラブルに特化して幅広くまとめています。
膝の痛みや違和感に悩んでいるスポーツ選手にぜひ一度見ていただきたい内容です。
①オスグッド
10~15歳の成長期に多い膝のスポーツ障害です。走る・跳ぶ・しゃがむなど、膝の曲げ伸ばしが多い競技ほど発症しやすい。
主な症状は
・膝下の痛み
・膝周りの腫れ
一度良くなっても、運動を再開すると再発しやすいのが特徴。
多くは成長とともに落ち着きまが、痛みや骨の出っ張りが残る場合もあるため、発症後は「超音波治療」や「酸素カプセル」、「運動療法」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
② ジャンパー膝
(膝蓋腱炎)
ジャンプやダッシュ動作を繰り返すことで起こる膝のスポーツ障害。
バスケットボールやバレーボールなど、跳ぶ・着地動作の多い競技で発症しやすい。
主な症状は
・膝のお皿の下の痛み
・運動時や運動後の違和感
放置すると慢性化しやすいのが特徴です。発症後は「超音波治療」や「高周波治療」、「筋膜リリース」「運動療法」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
③鵞足炎
(がそくえん)
太ももの内側の筋肉が集まる部分(鵞足)に繰り返し負担がかかることで起こる膝のスポーツ障害。
ランニングやサッカー、陸上競技など、走る・蹴る動作の多い競技で発症しやすい。
主な症状は
・膝の内側下方の痛み
・押すと強い圧痛
・運動時や運動後の違和感
初期は軽い痛みで動けてしまうことも多いですが、
無理を続けると炎症が強くなり、慢性化しやすいのが特徴です。
※膝の骨端損傷と混同されやすいため注意が必要です。
発症後は「超音波治療」や「高周波治療」、「運動療法」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
④腸脛靭帯炎
(ランナー膝)
膝の外側で腸脛靭帯炎が大腿骨とこすれることで起こる膝のスポーツ障害。ランニングや自転車競技など、同じ動作を繰り返す競技で発症しやすい。
主な症状は
・膝の外側の痛み
・膝の屈伸痛
走り始めて少し時間が経過すると発症します。発症後は「超音波治療」や「高周波治療」、「下肢メドマー」「運動療法」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
⑤膝蓋大腿関節症
膝のお皿と太ももの骨のかみ合わせに負担がかかることで起こる膝のスポーツ障害です。
ランニングやジャンプ動作の多い競技で、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで発症しやすい。
主な症状は
・膝のお皿周りの痛み
・階段やしゃがみ動作での違和感
歩行時に膝の不安定感があります。
放置すると慢性化しやすいのが特徴です。発症後は「超音波治療」や「高周波治療」、「テーピング」「運動療法」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
⑥タナ障害
(滑膜ヒダ障害)
膝の中にある滑膜ヒダが繰り返しこすれることで起こる膝のスポーツ障害。膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで発症しやすい。主な症状は
・膝の引っかかり感
・運動時の痛みや違和感
放置すると症状が長引くことがあるため、早めのケアと負担軽減が重要です。発症後は「超音波治療」や「高周波治療」、「テーピング」「運動療法」「下肢メドマー」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
⑦骨端線損傷
成長期の骨にある骨端線に負担がかかることで起こる膝のスポーツ障害です。10代前半のスポーツ選手に多く、走る・跳ぶ動作の繰り返しで発症しやすい。
主な症状は
・膝周囲の痛み
・押すと強い痛み
無理を続けると成長への影響が出ることもあるため、早めの運動調整と適切なケアが重要です。発症後は「テーピング」「運動療法」を組み合わせて週二回くらい継続的なケアが必要です。
【おすすめの治療/治療器】
まとめ
当院のスポーツ障害に対する治療方針は、完治のみを目指すのではなく、症状を抑えながら競技を継続できる状態をつくることを重視しています。
痛みをコントロールし、悪化を防ぐために定期的なメンテナンスを行っていきます。
もちろん完治を目指すことは理想ですが、完治だけを求める場合、大幅な練習制限が必要になるケースも少なくありません。
実際には、試合や大会、部活動の都合などから練習量を大きく減らすことが、選手にとって大きなストレスとなる場合があります。また、成長期のお子さんにおいては、運動制限が発育や運動能力の発達に影響を及ぼす可能性も考えられます。
そのため当院では、練習と治療を併用しながら、症状の管理と再発予防を図る治療方針を基本としています。
