肉ばなれとは?
![肉ばなれは筋肉の損傷](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/肉ばなれ-1024x1024.png)
筋肉の急な過伸展(伸ばすこと)で筋肉が部分的または完全に断裂したことをいいます。「筋断裂」「筋損傷」「筋膜断裂」と表現されます。太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)やふくらはぎの筋肉(腓腹筋)で発症割合が高いスポーツ外傷の1つです。
肉ばなれの原因は?
![肉ばなれの原因は使いすぎ](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/原因-1-1024x1024.png)
体は筋肉が伸縮して骨(関節)を曲げたり伸ばしたりすることで動きます。例えば膝を曲げる時、膝関節を曲げる筋肉は膝が曲がりすぎないように「伸びながら縮み」ます。このとき、膝関節を伸ばす筋肉も「適度に緩みながら」膝関節を曲げる運動を助けています。主たる運動の筋肉を「主力筋」主たる運動とは逆の運動をする筋肉を「拮抗筋」といいます。両方の共同作業によって過度に膝関節が曲がらないように適度な力で制御しながら動かしています。しかし、スポーツ中では急な切り返しやダッシュ、ボールの速球で肩を大きく振るなど筋肉に急な負荷をかけるシーンがあります。日常生活でも目の前にいきなり何かが飛び出してきて咄嗟によける、ということもあります。このようなとき、筋肉はどうなっているでしょうか?先程の膝関節の例でご説明します。曲げていた膝を急に伸ばすということは、瞬時に主力筋と拮抗筋が入れ替わったということです。膝関節を伸ばす筋肉が主力筋となり瞬時に縮みます。膝関節を曲げる筋肉は拮抗筋となり適度に縮みつつ緩まなくてはいけませんが、急な運動ではこのバランスが崩れ縮む力が強いまま強制的に伸ばされることで過度な負担がかかり筋肉を痛めてしまう=肉ばなれを発症してしまうことにつながります。
筋肉痛・こむら返りとの違い
![肉ばなれとこむらがえりは違う](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/違い-1-1024x1024.png)
肉ばなれは、筋肉の一部または全部が断裂した症状をいい、受傷直後から激しい痛みに襲われ、太ももやふくらはぎの肉ばなれでは歩行困難になることがあります。筋肉痛は、筋肉に痛みはあるものの筋肉の損傷がないものをいい、数時間~数日後に痛みだす特徴があります。しかし、筋肉痛を感じたところの筋肉を触っていると、「肉ばなれの前兆」と症状が似ているため、日頃からストレッチでしっかりとケアをする必要があります。こむら返りは「(足が)つった」と表現されるもので、筋肉が痙攣して緊張状態になり、しばらくの間は意図的に力を抜くことができません。力が入らなくなる肉ばなれとは真逆の症状がみられます。
筋肉には筋肉の伸びすぎを防ぐ筋紡錘と縮みすぎを防ぐ腱紡錘があり、腱紡錘の働きが悪くなるとこむら返りを発症するといわれます。こむら返りが起こる原因は体に必要な成分である水分やミネラル分(鉄・カルシウム・マグネシウムなど)、電解質(カルシウム・ナトリウム・マグネシウムなど)の不足によって筋肉の収縮や神経伝達がスムーズにいかなくなり異常な収縮をするためです。
症状
![肉ばなれの症状は内出血や疼痛](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/症状5-1-1024x1024.png)
「肉ばなれの前兆」で説明をしたような症状があるときに無理な運動をして「バチッ」「ブチッ」などの破裂音がしたら筋肉が切れているかもしれません。音はしなくても急に痛みがでて力を入れることができなくなったら肉ばなれを疑います。筋肉の伸展や体重移動で痛みが増すため、太ももやふくらはぎで重度の肉ばなれを発症すると痛みで歩行ができなくなります。また、腕に肉ばなれを発症すると肩を上にあげられない、肘をまげられないといった症状がみられます。痛みのほかの症状としては、内出血とそれに伴う腫れがありますが、筋肉が断裂するとその部分に「へこみ」を確認するもあります。また、手で触れた際に熱感を確認することがあります。
応急処置
![肉ばなれのしたら応急処置が重要](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/05/病院 イラスト-1.png)
肉ばなれなどケガの治療の第一歩は「応急処置」です。素早く正しい応急処置が早期回復・予後安定につながります。安全を確保したうえで応急処置「RICE」をしましょう。
もし、皮膚が傷つき出血があるときは流水で傷口を消毒し清潔なタオルなどで止血します。傷口からバイキンが入るのを予防しましょう。
R・・・体を休めます。I・・・打ったところを冷やします。15~20分冷やす➔患部の感覚がなくなってきたら外す、を数回(24~72時間)繰り返します。氷嚢などを使いますが冷やしすぎないように注意しましょう。皮膚にキズなどの変形があるとき、冷却剤は使用しないでください。C・・・内出血や筋組織の炎症を防ぐために圧迫しながら固定します。 氷嚢ごと固定してしまっても大丈夫です。ただし、関節の固定や骨折のおそれがある場合は専門家の指示を仰いでください。正しい位置に固定しないと関節がはずれてしまう(脱臼)ことや、骨が曲がってくっついてしまうおそれがあります。E・・・ケガの部位を心臓よりも高い位置にあげます。
肉ばなれの治療は?
![肉ばなれには酸素カプセルや超音波が重要](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/超音波-1024x1024.png)
低周波・高周波・超音波による物理療法による痛みや内出血の緩和、手技による筋肉の機能回復をはかります。概ね2~3週間で治る見込みですが、肉ばなれを起こした部位によってはその期間は前後します。中~重症では筋肉の部分断裂または完全断裂がみられ、手術が必要になることもあります。治るまで数ヶ月必要になることがあります。また、早期に治すには酸素カプセルと治療の併用をオススメいたします🙌
肉ばなれの痛みは?
![肉ばなれは運動痛が強い](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/肉ばなれ2-1024x1024.png)
〈軽度〉
日常生活動作で痛みは感じないが、急な動作(ダッシュやジャンプ、送球など)や、押されると痛みが出現。
〈中度〉
日常生活動作で軽度な痛みを感じる。限られた運動しかできない。
〈重度〉
完全断裂がみられ、手術が必要になることもあります。
肉ばなれは何科を受診したらいい?
![挫傷で医療機関に迷ったら整骨院がおすすめ](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/02/整骨40 ポイント-e1644013665739.jpg)
整骨院でも整形外科でも大丈夫ですが、整骨院はエコー検査ができる院を選んだ方がいいでしょう。
肉ばなれは全治どのくらい?
![肉ばなれは全治1ヶ月程](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/02/整骨48治療期間-e1644272949475.jpg)
損傷の程度によりますが1週間~2ヶ月程かかる場合があります。
肉ばなれを早く治す方法は?
![肉ばなれを早く治すには酸素カプセルが重要](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/01/整骨酸素カプセル1-4.jpg)
低周波・高周波・超音波による物理療法による痛みや内出血の緩和、手技による筋肉の機能回復をはかります。概ね2~3週間で治る見込みですが、肉ばなれを起こした部位によってはその期間は前後します。中度の損傷は治るまで数ヶ月必要になることがありますので、当院は酸素カプセルと治療の併用をオススメいたします🙌
あたためる?ひやす?シップは?
![肉ばなれには湿布が効果的](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/07/打ち身 風呂-1024x1024.png)
応急処置時は冷やしますがその後はどうすればいいのでしょうか?概ね急性期(3~5日)は冷やすことに重点を置きますが、その後(慢性期)は「3分冷やす」「5分あたためる」を交互に繰り返すことで炎症予防(冷やす)と血流促進による酸素・栄養の供給(あたためる)の効果があります。あたためたときに痛みよりも「気持ちよさ」を感じたらお風呂は積極的に入りましょう。全身の血流が良くなることでさらに治りが早くなります。病院でシップを処方された、整骨院でシップの使用をすすめられたら指示通りに使用します。シップには痛みを抑える消炎鎮痛剤のほか冷却効果があるものがありますので、入浴後にはより効果があるといえます。
注意したい、骨折の疑い
![肉ばなれは骨折のリスクもある](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/06/名称未設定のデザイン-6-1-1024x1024.png)
肉ばなれは筋肉の急な過伸展よって起こります。筋肉の急な過伸展で切れるのは筋肉とは限りません。筋肉は体を動かすために骨に付着しています。そのため、筋肉が骨ごと剥がれる「裂離骨折(剥離骨折)」を発症する可能性もあります。決して自己診断せずに整形外科や整骨院を受診しましょう。
成長期の肉ばなれと放置
![成長期と肉ばなれは密接な関係にある](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/成長期-1024x1024.png)
おそらく、部分断裂・完全断裂では病院や整骨院で治療されるかと思いますが、軽い肉ばなれと自己判断し、放置したらどうなるでしょうか?適切な処置をしないと一度傷ついた筋肉が元通りになることは難しく、肉ばなれを繰り返す、いつまでも筋肉がつっぱった感じがして動きが悪いなどの症状に悩まされることになります。やがて、体は動きが悪い部分をかばうような動作を自然とするようになるため、体のバランスが崩れて全身に不調をきたすようになります。体のバランスが崩れるためケガをしやすくなる悪循環を招きます。なお、成長期は骨・筋肉・靭帯・神経・内臓、全ての体の機能が未発達ですが、体の発達以上の運動を強いられてケガをする子供たちが多いのが現状です。「いつものことだから」と肉ばなれを放置すると「裂離骨折」を発症したり、痛みから体全体のバランスが崩れそのまま成長してしまう可能性があります。大人、子供関係なく自己判断せずに信頼のおけるところでしっかりと治療しましょう。
マッサージ、ストレッチ
![肉ばなれにはスポーツマッサージが効果的](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/スポーツマッサージ-1024x1024.png)
肉ばなれには「前兆」があります。「筋肉がいつもより硬い気がする」「体のうごきがいつもより悪いし痛みがある」と感じたら入念なストレッチをしましょう。しかし、ストレッチがしにくい背中や腰、自分ではどうすることもできないと感じたら「スポーツマッサージ」をうけてみるのもいいですね。
栄養
![肉ばなれは栄養摂取で治りが変わる](https://saito-seikotu.com/wp-content/uploads/2022/08/栄養-1024x1024.png)
成長期のケガの放置は成長とともに影響がでてきます。当院においてもご来院される子供たちのケガの多くはスポーツ中のもので、同時に気になるのはスタミナ不足によるケガではないかということです。こむら返りの欄にも記載しましたが体(筋肉や靭帯、骨などすべて)づくりにはミネラル分や電解質のほか、たんぱく質やビタミン類が必要不可欠です。しかし、食事だけでは不足してしまうものもあります。中には「試合前や試合中は固形物が食べられない」という子供たちも多く、「飽食の時代の栄養不良」といってもいいでしょう。現在、当院ではそのような「スタミナ不足によるケガ」を少しでも予防してほしいとの願いから、栄養補助食品の取り扱いを始めました。スポーツ中のスタミナ不足、スポーツ後の早期疲労回復に秀でたものです。基本は3食きちんと食べることですが、このような補助食品を活用して栄養を摂取し、ケガがしにくい体づくりをしてスポーツを楽しんでほしいと思います。もちろん!大人の方にも大変好評です