骨折とは

骨折とは

骨折とは骨の連続性が断たれること

骨折とは、骨に強い力が加わって折れたりヒビが入ったりする状態
健康な骨は簡単には折れませんが、以下のような場合には弱い力でも骨折することがあります。

  • 骨がもろくなる高齢者や成長中の子ども
  • 骨が病気で弱っている場合(病的骨折)
  • 同じ場所に繰り返し力がかかる場合(疲労骨折)

また、運動のしすぎで(オーバーユース)、筋肉や靭帯が引っ張られ、骨が一部剥がれてしまうこともあります。(裂離骨折)


一方、「ひび」は「不全骨折」と呼ばれます。

骨折の症状

骨折の症状は内出血、腫れ、熱感、水疱、変形、異常可動性、安静時痛、発熱です。

骨折の主な症状

骨折すると、以下のような症状が現れます:

  • 内出血・腫れ・熱感・水ぶくれ(血性水疱)
  • 患部の変形や異常な動き(異常可動性)
  • 安静にしていても痛む(安静時痛)
  • 発熱やあざ、皮膚の変色
  • 歩けない・動かせないなどの機能障害

特に骨のずれ(転位)がある場合は、外見から変形がわかったり、不自然な動きが見られます。

さらに、重症の場合は以下のような合併症を伴うこともあります:

  • 神経損傷
  • コンパートメント症候群(筋肉や神経の圧迫)
  • 脂肪塞栓症(脂肪が血管に詰まる)

骨折したらどうなるの?

骨折したら意識喪失、嘔吐といった症状があらわれることもあります。

骨折による症状はさまざまです

骨折すると、痛み・腫れ・熱感だけでなく、体温が上がって下がらないことがあります。

また、以下のような症状が見られることもあります:

  • 患部の変形(曲がるはずのない方向に曲がっている)
  • 関節の動かしにくさ・動かせない状態
  • 皮膚を突き破って骨が見える(開放骨折)

さらに、肋骨の骨折などは気づきにくく、
「普段は痛くないが、息を吸うと痛む」といった軽微な症状のみの場合もあります。

重症の場合には以下のような症状も現れることがあります:

  • 意識の消失
  • 吐き気や嘔吐

骨折は見た目だけでは判断しづらいこともあるため、少しでも不安があれば早めの受診が大切。

骨折の治療

骨折の治療には保存療法と手術がある

■保存療法

軽度の骨折や疲労骨折の場合は、この保存的治療で対処するケースがほとんどです。
保存療法とは包帯や添え木、ギプスを用いて骨折した部位を固定し自然に骨癒合を待つ方法です。骨はリモデリング機構(骨折箇所を細胞が勝手に治してくれる)が働くため、折れてもいずれは治ります。しかし、骨の断端が大きくずれている場合はうまく付着しないので、手や器具を使って皮膚の上からずれた骨や関節の位置を正しい位置に戻す「徒手整復(としゅせいふく)」を行ってからギプスなどで固定します。

■手術

重度の骨折は整復してもすぐに元に戻ってしまうため手術を行います。手術的治療にはいくつかの方法がありますが、骨折の状態や折れた部位などから総合的に判断されます。

骨折と捻挫の違い

骨折と捻挫はレントゲンで見ると違いがある

骨折と捻挫の違いとは?

骨折と捻挫の最大の違いは「痛みの質」にあります。
骨折では、捻挫や打撲、脱臼とは明らかに異なる強い痛みが生じます。

骨折に見られる主な特徴:

  • 安静にしていても痛む(安静時痛)
  • 患部の発熱や血性の水ぶくれ(水疱)
  • 悪寒・吐き気を感じることもある
  • 神経が刺激され、しびれや手足の脱力が起こることもある

見た目や痛みの程度だけでは判断が難しい場合もありますので、少しでも違和感があれば早めの受診をおすすめします。

骨折の種類

たくさんの種類の骨折がある

■骨折を分類すると外傷性骨折、病的骨折、疲労骨折の3つに分かれます。
・外傷性骨折➔正常な骨に外力が加わり損傷したもの
・疲労骨折➔過度なスポーツの繰り返しで、徐々に骨にダメージが蓄積して損傷したもの
・病的骨折➔病気のために、本来であれば骨折しない軽度な外力で損傷したもの

■骨折の折れ方を分類
・横骨折
・斜骨折
・らせん骨折
・粉砕骨折

■骨折部と外界との関係による分類
・開放骨折(複雑骨折)➔皮膚が破れ骨折断端が露出した状態
・皮下骨折(単純骨折)
・不全骨折➔ひびが入った状態。

骨折ランキング

当院の骨折の部位別ランキング1位は腰椎分離症・すべり症です。

当院の統計による骨折ランキングをご紹介します。

【第1位】腰椎分離症・すべり症
サッカーやバスケット、ハンドボール、陸上などの球技に多く見られ、体幹を回旋した際に腰部に痛みが発生します。腰椎分離症からすべり症に発展するケースがありますの無理に動かさず、安静を保ちましょう。氷のうや濡れタオルなどで患部を冷やすと、腫れや痛みが和らぎます。長時間激しい痛みが続く場合や、だんだん腫れや痛みがひどくなる場合は、骨折が疑われるため、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

【第2位】指・趾骨骨折
格闘技やラグビー、剣道、バスケ、陸上に多く見られます。足を踏まれた、ボールがぶつかった、などで骨折します。

【第3位】肋骨骨折
サッカー、格闘技などのコンタクトスポーツに多く見られ、痛みや息苦しさ、吐き気などの症状が挙げられます。肋骨骨折を併発しやすいので注意が必要です。痛みで寝返りができない、身体を少しでも動かすと痛いなどの症状が1週間以上続くようなら医療機関を受診して下さい。肋骨や胸骨を骨折していると、呼吸困難に陥ったり、血痰(けったん)が出たり、脈拍が乱れたりする場合もあります。

【第4位】手首骨折
ラグビー、アメフト、柔道、サッカー、バスケ、ハンドボールに好発します。手の感覚・知覚・運動障害などの症状がみられます。手首の変形が目立つのが特徴ですので、速やかに医療機関を受診して下さい。

骨折と骨挫傷の違い

骨折と骨挫傷は違う

骨が外力によって折れることを完全骨折といい、骨にひびが入った状態を不完全骨折、不完全骨折まで行かない状態、つまり骨の内出血をおこしている状態が骨挫傷です。
※レントゲンやCTで異常は発見できません。
症状は、局所の激痛、圧痛、運動時痛、腫脹、内出血など。

骨折の見分け方

骨折は見分けられる

「曲がるはずのない方向に曲がっている」「今まで感じたことがないくらいの痛み」「こんなに腫れるっけ?と思うくらいの腫れ」「関節が曲がらない」「患部が熱い」など感覚や見た目でわかる症状があれば骨折を疑います。しかし中には、「我慢できる痛みが長く続く」「腫れているのか熱があるのかよくわからない」といったこともあります。ただの打撲や使い過ぎと思わずに、痛みが長く続くなど異変を感じたらすぐに病院や整骨院など専門家を受診します

1、強い痛み、腫れ、圧痛、熱感、安静時痛
2、悪寒、吐き気
3、発熱
4、まわりに皮下出血があり腫れている
5,骨が動くのがわかる
6,水疱が発生
7、脈うつような痛み

応急処置

骨折したら応急処置が重要

鉄棒や跳び箱から落ちた、バスケット中に誰かとぶつかって転倒した、自転車に乗っていて車にぶつかった、色々なシーンで骨折をする可能性があり、そのような時に必要なことは、いかに迅速に応急処置ないし救護活動が出来るか、ということです。しかしながら、ケガの程度が重症であるほど間違った応急処置は以後の治療や後遺症に影響してくるので普段からしっかりと身につけておきましょう。消防署や赤十字の応急救護講座などに出席してみるのもいいですね。

ここでは簡単に基本のRICEを紹介します。

まずはケガをした方と自分の安全を確保します。ケガをした場所によっては屋外かもしれません。周囲に人がいるようならば協力してもらい、自分ひとりの場合でも焦らず最低限の安全確保につとめます。

R・・・体を休めます。出血を認めるケガの場合は、化膿を防ぐために流水で傷口を洗浄し、清潔なタオルなどで抑えるようにふきます。

I・・・ケガをしたところを冷やします。15~20分冷やす➔患部の感覚がなくなってきたら外す、を数回(24~72時間)繰り返します。氷嚢などを使いますが冷やしすぎないように注意しましょう。皮膚にキズなどの変形があるとき、冷却剤は使用しないでください。

C・・・傷口からの出血や内出血、筋組織の炎症を防ぐために圧迫しながら固定します。

    氷嚢ごと固定してしまっても大丈夫です。

    ただし、関節の固定や骨折のおそれがある場合は専門家の指示を仰いでください。正しい位置に固定しないと関節がはずれてしまう(脱臼)ことや、骨が曲がってくっついてしまうおそれがあります。

E・・・ケガの部位を心臓よりも高い位置にあげます。

※骨折を疑うくらいの症状の場合は早めに救急車を呼ぶなどしましょう。

骨折全治

骨折が全治するまで数ヶ月かかる

折れた骨がある程度結合するのは約4~6週間、完全結合は約2~3か月です。骨折の程度や部位で変わってきますが、年齢、栄養状態、基礎疾患、整復・固定の正確さ、手術の正確さによっても変わります。

骨が結合する目安の時期になっても骨が結合しない(偽関節)、また、ゆっくりと結合過程が進んでいる(遷延癒合)が見られる場合があります。これらの原因は整復が不正確だった、血流障害による栄養不良などが考えられ、完全結合までさらに時を要します。

骨癒合は骨折部位や年齢によって異なりますが、おおよそ肋骨で約3週間、鎖骨で約4週間、上腕骨で約6週間、大腿で約8週間、大腿頸部で約12週間です。

骨折ギブス期間

骨折のギブス期間はおおよそ4週~8週目安。

ギプスの装着期間は骨折部位や年齢によって異なりますが、おおよそ4週~8週を目安にします。

動けない今こそ
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 骨折回復を早めるなら
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骨折に酸素カプセルが有効的。

🔶骨折の早期回復を目指すあなたへ🔶

整形外科での対応に限界を感じている方は、「酸素カプセル」の存在をご存知でしょうか?

私たちが日常的に吸っている酸素は、主に血中のヘモグロビンと結合して全身に運ばれています。これを「結合型酸素」と呼びますが、以下のような課題があります:

  • ヘモグロビンに結合できる酸素量には限界がある
  • 毛細血管から細胞内へ届きにくい

これに対し、「溶解型酸素」は血液や体液に直接溶け込む小さな酸素粒子で、これらの障害を乗り越え、末端組織にまで酸素を効率よく届けます。

通常の呼吸では十分に摂取できないこの「溶解型酸素」を、酸素カプセルを使えば体内に効率よく取り入れることが可能です。
酸素カプセルは、「溶解型酸素」を増やし、体全体の酸素供給を高める装置です。

骨折の癒合には「酸素」が不可欠

酸素カプセルは、骨折の治癒を早めるためのサポートとして非常に有効です。

骨折放置

骨折を放置すると変形治癒する

骨折を放置すると慢性痛を引き起こしたり変形治癒します。変形治癒は骨がズレて癒合する状態です。変形治癒した患部が関節付近だと可動域制限が生じ曲げ伸ばしできなくなる可能性があります。

整骨院で骨折の治療はできるの?

整骨院で骨折の治療は医師の同意の元おこなえる

整骨院では「医師の同意」がない限り、骨折・脱臼の治療はできないことになっています(応急処置の場合は医師の同意は不要です)。

そのため、当院では骨折や脱臼が疑われる方について、必要な処置後に病院の受診を促しています。

骨折の早期治癒には酸素カプセルが大変有効です。酸素カプセルに入っていただくことで血流がよくなり高濃度酸素と栄養素が体の隅々にいきわたることで、骨同士の結合が早くなります(酸素カプセル 一般 2.500円/回、学生 2.000円/回、お得な回数券もあります)。

なお、病院での治療終了後のリハビリに不安がある方にはリハビリの指導、筋肉や関節の運動制限が気になる方の相談もうけたまわっています(ただし、健康保険は使えません)。

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